■木材の劣化と対策
生物劣化だけで木造住宅が倒壊することはまずありえない。被害を受けた家屋は地震や台風によって倒壊するリスクが高まる。倒壊家屋を調査したところ、100%は腐朽菌、70%は白蟻の被害があった。
■木材の生物劣化:木材腐朽菌編
■木材の生物劣化:木材腐朽菌編
カビは木材を腐らせないが、腐朽菌は木材(細胞壁)を分解し腐らせる。(腐朽菌にはコブのようなクランプがある)
■腐朽菌の菌糸は白い。色がついていたらカビの可能性高い。
リグニンを取り除いて紙をつくる。
■腐朽菌3種のうち、問題なのが、褐色腐朽菌と白色腐朽菌。
■褐色腐朽菌:セルロースとヘミセルロースを分解し、リグニンの色(褐色)に木材を変色させる。針葉樹をよく分解する。
木材の繊維方向をぶち切るので5%腐ると強度が半減する。
■白色腐朽菌:セルロース、ヘミセルロースだけでなくリグニンも分解し、ヘミセルロースの色(白色)に変色させる。広葉樹をよく分解する。
■木材腐朽菌を進行させる要因は、栄養・温度・水分・酸素。どれか一つでも欠けると木材腐朽は発生しない。木材の乾燥(約25%以下で、極力低い方が良い。15%前後であれば問題ない)。束石や金属接触による結露も原因となる。
■水分の侵入・滞留を防止。結露・水漏れ・雨漏/排水換気
■木材表面を非栄養化する。材表面に傷をつけ薬剤を浸透しやすくするインサイジング加工する。(銅成分をよく使用する)
■まとめ:
■木材腐朽は、菌類(キノコ)による木部の分解である。
■木部表面への胞子の付着と水分供給から菌糸の発芽と成長がはじまる。
■土壌からの水分、屋根や壁の雨仕舞、漏水、結露水によって発生する。
■栄養、温度、水分、酸素であり、どれか一つでも欠けると木材腐朽は発生しない。
■腐朽対策としては水分管理が最も現実的。
■木材の生物劣化:乾材害虫編
■木材の生物劣化:乾材害虫編
乾燥した木材を加害。
針葉樹材を食害しない。(栄養分が少ない、抽出成分が阻害)
辺材はでんぷんが多く食害される。ヒラタキクイムシ。
■シバンムシ科
お墓、古材、文化材害虫:生態がわかっていない。
■まとめ:
■乾燥した木材を加害し、主に床下や小屋裏、外装材への被 害が多発する。
■チビタケナガシンクイを除いて主な乾材害虫は幼虫が木材 中で食害活動をして、成虫になって木材中から脱出する。
■辺材部への加害が集中し、心材部の被害少ない。
■集団で活動しないため、シロアリほど食害材の強度低下はみられない。