多くの日本人は、いつのまにか日本と欧米の技術が折衷した家に住むようになってしまいました。日本古来の「伝統構法」に学んだ家ではありません。十年後の日本には「伝統構法」はもはや存在しないとさえ言われています。このままでは世界に誇れる伝統文化が失われてしまいます。日本人が長い歴史のなかで、営々と培ってきた世界に誇るべき伝統木造建築。その力学的合理性には驚くことばかりです。先人の建築の英知に学ぶとともに、伝統木造建築の復権を目指し、日本の優れた伝統構法の技術体系を現世代で絶やすこと無く、一層発展させ伝承していきましょう。

木造の良さが見直されています。木の醸し出す優しい趣に加え、1分で1㎜しか燃えない木の防火性能も検証され、脱炭素やSDGsが注目される中、住宅も公共建築も中高層建築まで、木造の時代となりました。今後も街中に増えていきます。スクラップ&ビルドからストックの時代へ。今、住んでいる家を大切にしましょう。空き家や民家を解体せずに蘇らせましょう。国土の2/3を占める森林資源も守っていきましょう。伝統文化からも学び、現代の住宅を考える時です。

地産地消の素材を使った耐震性と居心地の良い高性能木造住宅のご紹介

お気づきの不満点があれば、住宅性能と直結しています。高性能住宅は、地震、風水害や火災に強く、暖かく、快適な、維持管理し易すい住まい。まずは調査から始まります。家は財産なので、大切に守りましょう。

劣化、耐震、性能向上の3段階の診断があります。住宅医の手法としては、6つの性能診断指標(耐久性、耐震性、温熱性、省エネルギー性、バリアフリー性、火災時の安全性)に基づき、判断基準が明確です。調査内容を基に、耐震や省エネを検討します。

耐震等級3が目安です。耐震性が不足している場合は、既存住宅向けの耐震改修工法もあります。コンピューター上で、震度6程度の地震が起きた場合、どのように揺れるかのシュミレーションができます。剛性、偏心ともにバランスの良い建物が望ましいです。

断熱等級4が目安です。自然の力を極力利用し、結露させないことも大切です。気密や漏気も影響します。又、省エネにはエコな設備、給湯器やLED等の照明も併せて検討する必要があります。

防火性能を上げておくことは重要です。地震は崩れても残りますが、火事は何もかもが燃えて無くなります。 木は水分を含んでいて、実は火に強い材料なのです。消防が来るまで、20分間は耐えられる、燃え抜けない建築にすることが求められます。

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