進化のために破壊と再生を繰り返すことを受け入れなければならないと思う。
時代は一気にAI化へ向かおうとしている。人が創造することや判断することまで手放してしまう先に、明るい未来はあるのだろうか。人は、考える葦である。我思う故に我あり。人間性を維持できるのであろうか。心に礎石を据えて、天の声、風の声、地の声を、魂を研ぎ澄ましてみよう。宇宙の愛に、宇宙のイマジネーションに、宇宙の思考にアクセスしてみよう。修行が足りないが、堕天使や悪魔をコントロールし、精神、魂、体からなる己をまず認識しよう。危機の時代を生きる人類が、一人一人の内面進化を統合し「新しい叡智」を受け取る「精神科学」について探究してみよう。

第1ゲーテアヌム
第2ゲーテアヌム

シュタイナーの世界観
ルドルフ・シュタイナーは、1861年2月、南オーストリア鉄道の電信技師の息子としてハンガリーの国境に近いクラリェヴェックに生まれた。アカシックレコードにアクセスでき、超感覚的な体験の元、感覚界と精神界の認識はいかに生まれるかを理解したいとうい強い意志が芽生えていた。ヴィーン工科大学で自然科学と数学を学び、植物の変化論(メタモルフォーゼ論)に導いた詩人ゲーテの認識方法に、魂や精神世界の探求に至るために展開しうる契機を見いだし、後のドルナッハでの建築をゲーテアヌムと呼んでいる。彼の講演活動から、人間の本質が、肉体と魂と精神から成り立つことを説く(神智学・テオゾフィー)が生まれた。山の山頂(神)から見る視点。教義(ドグマ)にとらわれない彼独自の立場を貫いたため神智学教会から除名された。

シュタイナー思想(人智学・アントロポゾフィー)人間的立場から叡智を求める。山の中腹から上の神、下の自然界を観察する視点。1919年、「三分節有機体運動」「学校運動」「共同体運動」「医学運動」「農業運動」を展開するが、敵対勢力が台頭。

1922年(大正12年)大晦日の夜、完成したばかりの第1ゲーテアヌムが放火炎上。1923年「クリスマス会議」において第2ゲーテアヌム再建決議。すべてにおいて大きな「転換点」となる。この会議後、死去に至る1年半の間に、医学、治療教育、カルマ論(業:結果をともなう行為)、演劇、精神科学自由大学講義など、その後のアントロポゾフィー運動に新たな方向性と進化をもたらす重要な講演が一気に行われたが、1924年秋から病床に臥し、1925年3月30日死去。第2ゲーテアヌムが完成したのは1928年(昭和3年)であった。

1923年の「クリスマス会議」から100年後の2023年12月22日、東京小金井にて「クリスマス会議100年」の祝祭が開催された。さまざまな分野でシュタイナー思考からインスピレーションを受けて活動している人々にとって「クリスマス会議」が重要な原点として共有されているからだ。主題は「精神科学」についてであった。危機の時代を生きる人類が、一人一人の内面への進化を統合し「新しい叡智」を受け取る。この叡智との取組をシュタイナーは「精神科学」と呼び、自然科学に対置させた。自然科学に対して内面から生命を通わせようとする試みである。シュタイナー思想と出会うのは。教育や医療、農業、芸術活動や社会活動などの生活の現場においてである。その一つ一つが精神科学の研究や実践の成果である。社会に開かれつつ内面性を高める。「普遍的な人間性」が「危機」に立ち向かう力になるのかが見えてくるに違いない。

アントロポゾフィー協会は、「個々の人間および人間社会における魂の生活を、精神界の真の認識に基づいて育成しようとする人間の集まり」である。運動ではなく、ある形で既に世界戦争から分裂した形で生まれてきたといってもいいでしょう。
地球の人類の発展の中で、私は人間として、地上において神に望まれた人間として、宇宙において神に望まれた人間として存在していると言う言葉に包まれています。結びつきの基盤は、どこまでも具体的な人間への信頼でなければならない。

「精神」「魂」そして「体」からなる完全な本質(三分節)の中で「自分自身を認識せよ」
1.正しい仕方でアントロポゾフィアを生きる心によってこの「三分節」を自分に受け入れる。すると、自分の行いを感じつつ、意志をもって、認識することを学ぶことによって、自分が本来行為していることを認識します。すなわち、宇宙の諸精神が自分に生命を与えるところで自分の手足によって空間の広がりのなかに立っていることを認識します。
2.それから、日常の中で世界をとらえ(苦しんで受け身的に世界をとらえるのではなく)、自分の義務と課題と使命を満たすなかで積極的に日常の世界をとらえます。「全てを支配する人間の本質」と「宇宙の愛」を認識します。その宇宙の愛は、全宇宙本質のなかの一部なのです。
3.そして人が肺と心臓の間を統治する素晴らしい秘密を認識するなら、何千年という時間を通し永劫に働きかける宇宙のリズムがどのように脈拍と血液のリズムに打ち込まれ、人間のなか宇宙の魂を目覚めさせているのか、それが内的に知覚できるようになっていることがわかります。人は、この叡智に満ちた心臓を認識器官としてとらえるとき、神が与えた世界の姿が、いかに宇宙を自ら力強く開示させていくかを経験します。それができるという希望をもつことができるのです。
4.人が働き続けるその動きの中に統治する宇宙の愛をとらえるように、人は、世界存在の原像をとらえます。人が宇宙のリズムと心臓のリズムの間の神秘に満ちた移行を己の内に感じ、そして再びこの人間のリズム、神秘に満ちて魂的ー精神的に肺と心臓の間で交わされる人間のリズムを感じるときにです。
5.そして、人間がたとえ歩くときでも肩の上で静けさを保つ頭部で開示されるものを正しいやり方で感じて知覚するならば、人は、自分の頭部組織の中に自己を感じ、頭部組織へと心臓の温かさを注ぎ込み、統治する、働き、織りなされている宇宙思考を自己の中で体験するのです。
6.そして、人は全ての存在の三重性、人はこの三分節をとらえるようになります。そして自分を、宇宙の神の統べる働きのなかに居る、個的で自由な人間と認識するようになります。
「人間の愛の中を(す)べる宇宙の愛」
「人間の器官形成の中を統べる宇宙のイマジネーション」
「人間の思考の中を統べるその根底にある秘密に満ちた宇宙の思考」
7.世界の人間として、世界の人間のなかの個的な人間として、世界の未来のためにはたらく世界の人間のなかの個的な人間として自分を認識するようになります。
8.人は、古い言葉「お前自身を認識せよ」を現代の表し方で新たなものにするでしょう。

三つの力
「高みからの力」:生きている宇宙の実態、高みから流れてきて人間の頭部にあらわれる精神
「周囲からの力」:周囲の至る所ではたらくキリスト(善)の力、地球を巡り、呼吸組織のなかにはたらいて生きる空気の力
「深みからの力」:手足の中にはたらく、大地の内部から深みに表れてくる力
この3つの力を、形成された実態の中で一瞬に一つにするとき、魂は、宇宙の正十二面体を人間の正十二面体と向かい合わせることが出来ると理解するのです。魂の底に沈める正十二面体の礎石を魂の内に形作ります。その礎石は魂存在の力強い基盤において、力ある印となります。礎石をいつも意識のなかに持ち続けましょう。宇宙のイマジネーション、宇宙の思考、宇宙の愛。
いかに、宇宙の中で働くか。礎石を据えなければならないふさわしい地面は、心の中です


シュタイナー考察:このままで人間は大丈夫か
幾何学の持つ目に見えない本質に気づく。
人は、忘れることを大切にしなければいけない。それは消化したということ。後に再会し忘れない知識になる。
時間という現実を特に認識しな蹴ればなりません。時間とは現実です。
霊的に人間や世界の営みを観察し理論化する(感覚的でなく科学的に)
神智学(テオゾフィー):山の頂からの視点、神的な立場で叡智を求める。彼独自の立場を貫いたため神智学教会から除名。
人智学(アントロポゾフィー):山の中腹からの視点、人間的な立場で、上の神、下の自然を双方みて叡智を求める。
シュタイナー教育(教育=芸術)エポック教育:午前中は1教科を3週から6週で世界に浸る。午後は芸術、体育、音楽、工作
幼児4大教育(シュタイナー、モッテソーリ、フレーベ、フレネ)

人間の要素(人は7年周期で成長する)
物質体:肉体、魂の入れ物
エーテル体:生命力(0歳から7歳で形成)、無くなれば死体
アストラル体:意識力(8歳から14歳で形成)、ルシファーが入り込む
自我:自分を認識する(15歳から21歳で形成)、知的生物のみ

人間界を支配するもの
人間の魂には「強力な分裂への衝動」が宿っており、それを乗り越えることはほぼ不可能であると述べている。
ルシファー:堕天使、光をもたらす、人間生存のための進化に必要、情熱、欲望、衝動、文明を生む。
 一方、地に足がつかない。麻薬中毒、ルシファーから生まれた物は消滅する。
キリスト:良い方向に導くもの、道徳、神社。
アーリマン:闇を支配する悪魔(ゾロアスター教)知識を通して思考に入る。ロボットのような冷たい人間、現実的。
 2000年代にアーリマンが受肉すると伝わる。テクノロジーを与える、ChatGPT、文明を破壊してきた。

これまでも、破壊と再生を繰り返してきた。進化するために全て意味がある。不滅な部分が持続する流れになる。
アーリマンに対抗できるか、乗り越えられるか。
カルマ(業:行動と結果)により、「自然」と「経済」が交互に移り変わる。
「テクノロジー」の後は、「人のぬくもりや愛情の世界」になるのか。