ハートビル法が1994年にできてから現在のバリアフリー法に代わっていく過程で、高齢者・障害者対応で義務化された建築基準要件は多いので、それらがじつは、ユニバーサルデザイン(すべての利用者を対象とするデザイン)でなくてはならないのだと理解する。障害者専用ではなく、意識せずに誰でも役立つという点から評価する。一般的な=普遍的なデザインを意味している。建築物は誰でも使えないといけないはずだ。つまり、普遍的なデザインの概念が出発点にあるべきだとの主張にたどりついたわけだ。

ユニバーサルデザインの7原則を公表した。
1.誰にでも公平に利用できること
2.使う上で自由度が高いこと
3.使い方が簡単ですぐわかること
4.必要な情報がすぐに理解できること
5.うっかりミスや危険につながらないデザインであること
6.無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること
7.アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること
(内容は、建築だけでなく製品デザインなども含んでいる)

すべての人という概念が「障害のある人もない人も」という当初の意図から外れたメッセージに変わってしまっていることが多いのは残念。今や人口の30%は65歳以上、今後も高齢者の割合は増え40%近くまで達する。高齢者が他者に頼らずに動き回れる構築環境が大前提にならざるを得ず、実現するには、ユニバーサルデザインという概念が必然なのだ。