①□地震力算定用の建物荷重W:階高を2分した重さを最上階は9KN/㎡、他階は4.5KN/㎡とする。(スラブ厚130)W=15600KN
3F(578㎡),2F(578㎡),1F(578㎡)の場合、R階:9×578㎡=5200KN、3階:4.5×578㎡×2=5200KN、2階:4.5×578㎡×2=5200KN
②□これ以上耐力が上がらない 保有水平耐力Qu=Σ25Aw+Σ7Ac(Aw:壁の断面積、Ac:柱の断面積)
Y方向、Quy=Σ25Aw+Σ7Ac=25Kg×550cm×20cm×2個所(耐震壁)+7Kg×60cm×60cm×20本(柱)=1060000Kg、Quy=10600KN
□保有水平耐力時、層間変形角θ=1/100と変位δu=h/100(RC造耐震壁)
RC造ラーメンの大地震時の層間変形角θ=1/100と設定する。 θ=δ/hなので、δ=θh→δu=h/100
Y方向、軒高h=11mの時、δ=11/100、δu=0.11m
□保有水平耐力時、固有周期Tu=2π√(Mu・δu/Qu)
多質点系を1質点系に置換する。1質点系の有効質量Mu=建物重量×80%とする。尚、質量表示に変換(KN→t)
有効質量Mu=15600KN×80%=12500KN、更に質量に変換 12500KN→Mu=1250t
Y方向、Tu=2×3.14×√(1250×0.11/10600)≒0.715秒、Tu≒0.715秒
③□骨組損傷開始時の降伏強度 地震力Qy=建物重量W×Co
Co=0.4(400gal)程度で骨組みが損傷(降伏)すると仮定。標準剪断力係数Co=0.4=地震力Qy/建物重量W
Qy=15600×0.4=6240、Qy=6240KNで損傷が始まる。
□損傷開始時、層間変形角θ=1/1000と変位δy(RC造ラーメン)
RC造ラーメンの降伏強度Qyでの損傷時の層間変形角θ=1/1000とする。(C0=0.25と仮定) θ=δ/hなので、δ=θh→δy=h/1000
Y方向、軒高h=11mの時、δ=11/1000、δy=0.011m
④□地震加速度の低減率Fh=1.5/(1+10h)
地震エネルギーの吸収効果は、損傷程度Df、及び減衰定数hから求められる、地震加速度の低減率Fhとして評価される。
□骨組みの塑性損傷程度Df=δu/δy×Qy/Qu
Y方向、Df=0.11/0.011×6240/10600≒5.88、Df≒5.88
□減衰定数h=0.25(1-1/√Df)+0.05(木造は強度にばらつきがあるので0.2とする)
Y方向、h=0.25(1-1/√5.88)+0.05≒0.196、h≒0.196
→低減率Fh=1.5/(1+10h)
Y方向、Fh=1.5/(1+10×0.196)=0.506、Fh=0.506(50.6%)←これが知りたかった!地震時水平力が58%に低減される。
⑤□大地震時に骨組みに作用する地震加重Pi=Gs×mi(質量)×α×Bsi×Fh×Z (Bsiは、R階1.0、3階0.8、2階0.6とする)
□地震加速度応答スペクトルを用い、建物周期Tuより応答加速度αを算出。
Tu<0.16秒の時、加速度α=(3.2+30Tu)、0.16秒<Tu<0.64秒の時、加速度α=8m/s2、0.64秒<Tuの時、加速度α=5.12/Tu
Y方向、Tu=0.715秒>0.64秒なので、α=5.12/0.715=7.16、α=7.16m/s2(716gal)
□表層地盤による加速度増幅率Gsを1.5倍とする。(2種地盤で1.5~2.025)
Y方向、R階:PR=1.5×520t×7.16m/s2×1.0×0.50×1=2793、PR≒2793KN
Y方向、3階:P3=1.5×520t×7.16m/s2×0.8×0.50×1=2234、P3≒2234KN
Y方向、2階:P2=1.5×520t×7.16m/s2×0.6×0.50×1=1676、P2≒1676KN
⑥□必要保有水平耐力Qun(1階の層剪断力をQunとする)
大地震時の水平荷重によって各層には層剪断力が生じる。その層剪断力Qiにつり合う剪断耐力が必要保有水平耐力Qunである。
Y方向、1階の層剪断力Qun=2793+2234+1676=6703、Qun=6703KN
※有効質量Mu用い、Qunを一発で出す方法。Mu=0.8Mall=1250t、α=5.12/Tu=5.12/0.715=7.16m/s2、Fh=0.506。Qun=1.5×Mu×α×Fh=1.5×1250t×7.16×0.506=6793KN
⑦□必要値Qun<保有値Qnの確認
Y方向、必要値Qun=6703KN<保有値Qu=10600KN