既存住宅状況調査は、国土交通省の許可を得て登録している建築士のみが行えます。

既存住宅状況調査は、性能の時代に移行していますから、これから重要視されそうです。すでに米国では常識となっています。又、スクラップ&ビルドからストックの時代にも移行しつつありますので、必須になりそうです。家も定期的にチェックして、軽傷のうちに治療しておくのが一番経済的です。尚、住宅医手法では、更に深く総合的に判断ができる内容になります。

住宅の調査診断は、レベルに応じて、主に次の3つに分けられます。
1.一次的調査(劣化調査)既存住宅状況調査(インスペクションとも呼ばれています)
中古住宅売買時の建物検査や、維持管理のための定期点検の時などに
国交省の許可を得た建築士である既存住宅状況調査技術者が行います。
2.二次的調査(耐震診断等)
現状の耐震性能を知りたい、耐震補強について検討したい時に
3.性能向上診断
耐震性・温熱性など、総合的な性能向上リノベーションを検討したい時などに
住宅医手法は、6つの性能診断指標(耐久性、耐震性、温熱性、省エネルギー性、バリアフリー性、火災時の安全性)があります。

※まずは一時的調査からスタート致します。

既存住宅状況調査(インスペクション)(国土交通省)中古住宅の品質を確保する観点から、平成27年より、インスペクションの普及促進(ガイドラインの策定)が位置づけられました。品確法の瑕疵を契約不適合と読み替える昨今、アメリカでは常識化しているインスペクションですが、日本でも重要視される時代になりそうです。私たちに、健康診断が必要なように、家も定期検診を受け早期治療ができれば、木造家屋も長寿命です。大切な資産を守るとともに、安全快適に暮らせるように、年に一度のインスペクションをおすすめ致します。診断履歴があればもしもの売却の際も有利になります。欧州のように住めば住むほど価値の上がる暮らし方が理想ですね!

【備考】
インスペクションガイドライン:1)構造耐力上の安全 2)雨漏り・水漏れ 3)設備配管の劣化 ※耐震性に関する書類の確認
□判断基準
壁・柱・床の傾斜:3/1000~6/1000(約0.35度,0.6%)は瑕疵一定度存在。→ 6/1000以上の傾斜
基礎クラック:0.3mm~0.5mmは瑕疵一定度存在。→ 0.5mm以上深さ20mm以上の欠損
:たわみ制限比:スパンの1/300 以下(1/250では大きすぎる。)、かつ 20mm。床の梁は5mm~8mmに抑える。
:たわみ:σmax=5Wl3/384EI(W=wl) 単純張り等分布荷重w 変形増大係数2
横架材に加わる力:曲げモーメント、剪断力、軸力の3つ
:曲げモーメントは、スパンの2乗で大きくなる WL/8(W=wl) → wl2/8
:断面係数も梁成の2乗に比例する bh2/6
→よって、スパンが2倍になったら、梁成を2倍にする必要がある。
:剪断力は、スパンに比例する。wl
→よって、スパンが2倍になったら、梁成を2倍にする必要がある。
:たわみは、スパンの4乗に比例する。σmax=5Wl3/384EI=5wl4/384EI
:断面性能(I)は、梁成の3乗に比例する。bh3/12
→よって、スパンがおおきくなるとたわみの検定が厳しくなる