山口県産材木造建築検証会

山口県の7割を占める森林。そのうち4割以上が木材生産のために造林された人工林。戦後の高度成長期に一斉植林された木が半世紀過ぎた今、伐採適齢期を迎えている。昔から、地元の木材を建築物に使うと、同じ気候風土で育っているため長持ちすると言われている。又、伐採されてからも育ってきた年数以上の耐久性を持つという。

県産材の樹種としては、
スギ:安価、加工しやすい、木目と色合いが美しい。
ヒノキ:水に強く、菌や虫に対する耐久性が高いため、腐朽やシロアリの被害を受けにくい。土台や水回りの使用に適す。
アカマツ:重硬で強度が高く、加工も良い。年月たつと、赤味が増して艶がでる。
シイ:表面が硬く傷がつきにくい。色調がホワイトオークに似ている。山口県に非常に多く自生する。
製品としては、合板、集成材、CLTもある。

県産材の特徴
令和2年の強度調査の結果、県産材の曲げヤング係数は、スギ8.95kN/mm 、ヒノキ10.92kN/mmで、全国平均(スギ7.21kN/mm 、ヒノキ10.48kN/mm)に対し、特にスギの強度が高く、機械等級強度の出現率をみても、スギはE70以上が98.4%以上、ヒノキはE110以上が75.9%と、全国平均より高い数値が確認できました。

含水率
要求性能に応じ、乾燥方法(天然、人口)を選択し、目標含水率(構造材20%、造作材15%)まで適切な乾燥をおこなう。
※構造材で15%を望みますが、あらかじめ20%まで乾燥しておくということのようです。

楠こもれびの里:平成21年(2009年)8/5オープンから、14年経過

建築:山口大学大学院 理工学研究科 完成デザイン工学分野 内田研究室+(株)龍環境計画
構造:SHI構造設計

壁:杉板(t=15)竪羽目張 浸透性木材保護着色塗装
天井:杉板(t=15)大和張 浸透性木材保護着色塗装
床:木質系(桧材)フローリング(t=15)OS塗装

平成21年(2009年)8/5オープンから、2023年で14年経っています
農産物直売所
こもれびの湯入口
農産物直売所
こもれびの湯
納屋
万農塾
宿泊室
田邊厚實 育林 
柱脚の処理

荒滝山麓の森(よろずの森)

山林面積20h(人工林18.5h、天然林1.5h)田邊厚實 育林
樹種別割合(スギ10%、ヒノキ70%、その他13%、天然林7%)
その他13%は、ケヤキ、カヤ、コウヤマキ、ヒノキアスナロ、ユリノキ、クヌギ、サクラ、センダン、コウヨウダン等
:スギ:山武スギ、沖の山、シャカイン、北山スギ、その他天然絞り
:ヒノキ:南郷(熊本県)、上高(愛媛県)、天王(愛媛県)、楊貴妃(福岡県)、クルソンザン(山口県)、高垣(下松)

枝打ち
:植栽4~5年目に枝払い
:その後直径、5~6cmぐらいまで
:1回の打高さ、1.0m前後
:最終枝打ち、4.0~7.0M
※最初は密集させて成長を遅めて年輪を密にする。成長段階で間引いていく。

山林面積20h
スギは枝打ちをしなくても、下の枝は枯れて落ちる。
現在地
珍しい油の木。有事の際、燃料になる。

山口県農林水産部 森林企画課:広中 083-933-3464
建築士会:蔵元和夫、女性部:金子敦子、青年部:原田、内田、松岡、河田

□グリーンデザインオフィス:岩田真次
地震被害の原因は地盤にある。
県産木材の密度とヤング係数(弾性波速度):健全な材料の弾性波速度は3500m/s以上。
建物周期:新築木造0.2s、古い民家0.3秒、大型木造1.0秒くらい。