1.【現状】

増えている空き家。売買されずに解体されるものも多い。
:前世代がコストをかけて建てた家は資産価値を失い、

 さらにコストをかけて解体される「負の遺産」になっている。

:築後約24年で評価額が0となる慣習がある。
:国交省の資料より、40年間の住宅投資額約875兆円に対し、残存する住宅資産額は約340兆円、全国で約530兆円もの資産価値が喪失している。
:既存住宅取引数は欧米に比べて圧倒的に少ない。
:住宅リフォーム投資も欧米比較で見ると少ない。
:低炭素、有効活用の時代、負の遺産となり消滅していく資産を再生し守ることは、これからの日本が持続する上での国家的課題。

:将来世代に継承できる良質な住宅の供給が求められている。
:住宅ストック約6000万戸のうち、良質な住宅は約200万戸。約3.3%。
:リフォームや建替による耐震性向上の対応が望まれる
:一方、約850万戸ある空き家の対応は不明確。利用価値・存続価値が見いだせずに解体されてしまうものも多い。歴史的価値や文化財的な価値まで消失。日本の知的・文化的財産が消滅している。見捨てられていくものに価値を見いだし、利用の道筋をつけることが出来ればくい止められる。
:ヘリテージマネージャーの歴史的財産を存続活用する活動とも繋がる。
:山口県産木材利用を優先させ、地元の林業環境に寄与できる。

:制度改正で、建物評価手法も見直しされ、改修による質の向上が評価に反映できるようになった。
:劣化してもきちんと補修されれば新築に近い評価ができるとされた。
:新しい評価によれば、長寿命化し性能評価などを取得した家は査定が大きく向上することとなった。
:更に、2025年の法改正により4号建築の対象範囲が狭まり、2階縦建ての大規模の模様替えなども建築確認の対象となる。
:長寿命化に伴い、屋根や外壁は必然的に「大規模な模様替え」となる。
:新たな評価方法では確認申請取得により売却時の査定UPが期待できる。
:法改正は査定UPの追い風となる。
:空き家の長寿命化にかかる工事費は、標準建築費(新築工事費の統計値)の8割程度だと言われている。
:住宅医研修で得た知識を活かし、構造EXにて構造解析し、根拠を残す。
:VectorWorksにてBIM化し、効率化と可視化、シュミレーションで、解りやすいプレゼン資料を作成する。

2.【リボンプロジェクト】

フェーズ0ー空き家の発掘と調査
:地元で築50年程度の木造空き家や民家付き土地を見つける。
:改修後の使用形態を模索する。
:インスペクションし、構造や劣化などの建物の状態を確認する。
:立地と周辺状況、インフラ、地盤の調査をする。
:現状の耐震診断を行い、弱点を探る。

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フェーズ1ー長寿命化計画
:耐震等級3以上を想定し、耐震化計画をする。
:断熱等級4以上を想定し、断熱化計画をする。
:劣化対策等級3を想定し、維持管理のし易さを考慮する。
:建築確認申請に向け調査する。
:資産価値が持続する家を想定する。
:架構ブロックと柱直下率を意識し、強い架構をつくる。
:改修の基本は品確法の壁量計算とN値計算。
:建防協の「木造住宅の耐震診断と補強方法」にもとづいて判断する。
:将来、間取り変更できる柱配置、極力ワンボリューム化する。
:陽当たり・減築も考慮する。

フェーズ2ー建物・土地の購入
:金融機関への相談
:資産価値アップと目的の説明

フェーズ3ー改修工事
:仕上げを撤去して軸組の状態を確認する。
:躯体の状況を確認しながら長寿命化
:劣化状況を完全に克服し価値向上につなげる。
:腐朽・蟻害個所を取り替え解消する。
:基礎改修することで壁量を合理化

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フェーズ4ー運用
:自宅として3年間住む。可能なら、お花教室や陶芸教室、ヨガ教室、料理教室、アロマ教室、菜園など(定期・時間貸し)※居住用財産控除
:次の空家改修物件を探し、フェーズ0~3をおこなう。
:次の空家改修が完了する迄に、この場所を新しい住まい手に売却する。
:次の空家改修が完了したら、自宅を移し、フェーズ4を繰り返す。
:2件目まで借入、3件目から、運用収入・売却収入を工事費に充当し、持続性のあるプロジェクトとする。

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3.【効果】

見捨てられたものに新たな価値を見いだし、スクラップ&ビルドからストックの時代への変遷。住宅を建てるのも、アパートに住むのも良いが、戸建ての異なる拠点に転々と住み替えていくことも、縮小時代の楽しく新しいライフスタイル。空き家が増えている。そんな色々なタイプの空き家を、魅力在る高性能住宅に変身させ、住み替えていける。認知度が高まれば、ストックの価値が見直されるのではないだろうか。災害に強い安心で健全な町並みの形成、山口県産材木の使用で、地元の森林環境の改善、歴史的価値保存、地域活性化、そして、空き家対策に困らない時代がやってくる。

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