第1ゲーテアヌム
第2ゲーテアヌム
ルドルフ・シュタイナー

ルドルフ・シュタイナー Rudolf Steiner 1861~1925

ルドルフ・シュタイナーは、1861年2月、南オーストリア鉄道の電信技師の息子としてハンガリーの国境に近いクラリェヴェックに生まれた。アカシックレコードにアクセスでき、超感覚的な体験の元、感覚界と精神界の認識はいかに生まれるかを理解したいとうい強い意志が芽生えていた。ヴィーン工科大学で自然科学と数学を学び、植物の変化論(メタモルフォーゼ論)に導いた詩人ゲーテの認識方法に、魂や精神世界の探求に至るために展開しうる契機を見いだし、後のドルナッハでの建築をゲーテアヌムと呼んでいる。彼の講演活動から、人間の本質が、肉体と魂と精神から成り立つことを説く(神智学・テオゾフィー)が生まれた。山の山頂(神)から見る視点。教義(ドグマ)にとらわれない彼独自の立場を貫いたため神智学教会から除名された。

シュタイナー思想(人智学・アントロポゾフィー)人間的立場から叡智を求める。山の中腹から上の神、下の自然界を観察する視点。1919年、「三分節有機体運動」「学校運動」「共同体運動」「医学運動」「農業運動」を展開するが、敵対勢力が台頭。

1922年(大正12年)大晦日の夜、完成したばかりの第1ゲーテアヌムが放火炎上。1923年「クリスマス会議」において第2ゲーテアヌム再建決議。すべてにおいて大きな「転換点」となる。この会議後、死去に至る1年半の間に、医学、治療教育、カルマ論、演劇、精神科学自由大学講義など、その後のアントロポゾフィー運動に新たな方向性と進化をもたらす重要な講演が一気に行われたが、1924年秋から病床に臥し、1925年3月30日死去。第2ゲーテアヌムが完成したのは1928年(昭和3年)であった。

1923年の「クリスマス会議」から100年後の2023年12月22日、東京小金井にて「クリスマス会議100年」の祝祭が開催された。さまざまな分野でシュタイナー思考からインスピレーションを受けて活動している人々にとって「クリスマス会議」が重要な原点として共有されているからだ。主題は「精神科学」についてであった。危機の時代を生きる人類が、一人一人の内面への進化を統合し「新しい叡智」を受け取る。この叡智との取組をシュタイナーは「精神科学」と呼び、自然科学に対置させた。自然科学に対して内面から生命を通わせようとする試みである。シュタイナー思想と出会うのは。教育や医療、農業、芸術活動や社会活動などの生活の現場においてである。その一つ一つが精神科学の研究や実践の成果である。社会に開かれつつ内面性を高める。「普遍的な人間性」が「危機」に立ち向かう力になるのかが見えてくるに違いない。

アントロポゾフィー協会は、「個々の人間および人間社会における魂の生活を、精神界の真の認識に基づいて育成しようとする人間の集まり」である。運動ではなく、ある形で既に世界戦争から分裂した形で生まれてきたといってもいいでしょう。
地球の人類の発展の中で、私は人間として、地上において神に望まれた人間として、宇宙において神に望まれた人間として存在していると言う言葉に包まれています。結びつきの基盤は、どこまでも具体的な人間への信頼でなければならない。

シュタイナーの世界観 「クリスマス会議100年」

進化のために破壊と再生を繰り返すことを受け入れなければならないと思う。時代は一気にAI化へ向かおうとしている。人が創造することや判断することまで手放してしまう先に、明るい未来はあるのだろうか。人は、考える葦である。我思う […]