■運動脳:アンデシュ・ハンセン
●ストレスによる不眠などの疾患には、運動が効果的である。ランニングなどの運動を定期的に行うと、コルチゾールというストレスホルモンが増えにくくなり、ストレスに対して身体が過剰に反応しなくなるためだ。
●身体を活発に動かすと、脳の血流が増え、論理的思考や感情の制御などをつかさどる「前頭葉」が強くなる。また、前頭葉と扁桃体(恐怖感情などをつかさどる部位)との連携が強化され、前頭葉は効率よく扁桃体を制御できるようになる。
●定期的に運動すると、脳内ではセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンという物質の分泌量が増える。これらの脳内物質には、不安を和らげ、やる気や活力を促すなどの作用がある。そのため、これらの物質の欠乏に関わるといわれるうつ病に、運動は効果的である。
●運動をすると、記憶力も向上する。ある研究では、心拍数が上がる持久力系のトレーニングを続けた人は、1年後に記憶の中枢である海馬が約2%大きくなったことが確認された。
●運動の種類によって、影響を受ける「記憶の種類」は異なる。例えば「暗記の能力」は、ランニングによって高めることができる。一方、顔と名前を一致させるような「連想記憶」は、筋力トレーニングで高まることがわかっている。
●認知症予防には、クロスワードパズルや数独よりも、週5日のウォーキングの方が効果的とされる。これは、クロスワードパズルを解く時には脳の活動領域が言語中枢に限られるのに対し、歩行時には脳内の様々な場所が活動するからである。
老化防止には運動が効果的。ストレスに強くなる。前頭葉が強くなり偏桃体を制御できる。不安を和らげ活力を増す。なにより、ランニングは暗記力が増す!私にとってのランニングは、自分の身体との対話の時間であり、言葉を使わない瞑想の時間。少しづつでも負荷をかけ続けると、通常値が上がり、答えるように活性化する。頭も体も使わないと退化してゆく。頭も体も生きているうちに使おう!