■キャリアをつくる独学力:高橋俊介著
●いま日本では、仕事のあり方や働き方、求められる人材像やキャリア形成をめぐり、変化が起きている。その変化に対応していくには、自ら主体的に学ぶ「独学力」が不可欠である 。
●いま個人に本当に求められているのは、「学び方改革が生み出すキャリア自律」である。重要なのは「仕事自律」と「学び自律」を相互に関連させながら回していき、結果として「キャリア自律」が実現する、ということだ。自分に向いている仕事につくというより、自分に向いているように仕事をする。
●仕事の仕方も学びの仕方も、「自分らしさ」の連鎖により、結果的に自身のキャリアが出来上がっていくことが大切なのである。
●独学力が高い人の学び方には、次のような特徴がある。
①「内向きのタテ」から「外向きのヨコ」へ
・社内での経験や知識にとらわれず、会社の枠を超えて主体的に学ぶ人同士が形成する「学び合いの場」に参加する。
②詰め込みから、楽しさと意味を感じる学びへ
・近視眼的な功利性を追求するのではなく、学びの楽しさや意味を感じることを大切にする。
③課題に対する「自論」の力を重視する学びへ
・正解のない事象に対する自分の考えを明確にし、発信する「自論」の力をつけることを重視する。
●重要なのは「応用力」につながる「普遍性の高い学び」。
仕事の背景や意味を掘り下げ、目的を明確に捉えることで得られる学びである。「何のためにやるのか」「本質的な目的は何か」「なぜこのやり方を行うようになったのか」を掘り下げて考え、仕事の意味合いを腹落ちさせる。この時のポイントは、個別具体的な経験を普遍性の高い学びに結びつけていくことである。個別具体から普遍的な抽象的概念を導くことを「チャンクアップ」、普遍的概念から個別具体にブレイクダウンすることを「チャンクダウン」という。「学びの普遍性」を高めるには、個別具体と普遍を往還する「チャンクアップ・チャンクダウン思考」の習慣を身につけることが大切になる。
●幅広く脳の機能を使い、鍛える。
脳の機能を幅広く使うことで、答えのない問題と向き合うのに必要なクリエイティビティや発想力が鍛えられる。
●物事の本質を理解する能力を身につける。
一見、自分の専門性とは異質に思える分野でも、学ぶことによって普遍性の高い発想の引き出しを増やし、自身の世界観の形成につなげていくことができる。そしてそれを基に、自論を発信できるようになる。
感受性を高めると心の中の疑問の渦に気づく。調べようとするところから自分の学びが始まる。心の赴くままに、自分らしく。追求するほどに学びの楽しさを実感すると、学びの場に参加して意見交換したくなる。専門的に、大局的に、普遍的に、やがてその方向性から意味を見出せるようになったら、さらに発想し想像力で展開させ、自身の世界観が生まれてきたときに、自論を発信できるようになる。のだと理解。ともかく、学びの出発は「感動」から始まると思います。感受性を高めるために、普段から、素直な心でいたいものです。